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TYPICA株式会社設立と事業譲渡のお知らせ。

この度、コーヒー生豆のダイレクトトレードプラットフォーム事業「TYPICA」を、新たに設立したTYPICA株式会社に事業譲渡致しました。

ムトナは「人間生活革命」を経営目的とし、ONE BIRTHDAYS事業List.事業TYPICA事業の運営を始めとし、世界の全体幸福を担う新規事業開発及びマーケティング支援を主題に、企業価値の向上に努めて参りました。

その中で、2019年11月より開始したTYPICA事業において、新規事業開始より1年間のテストマーケティングを実施した結果、コーヒー農家側において、4カ国(エチオピア・グアテマラ・ニカラグア・ペルー)376農園と提携し、年間約2,600t、40億円のコーヒー生豆を流通できる体制が整いました。また、自家焙煎コーヒー事業者(以下ロースター)側においても、日本全国の80社と取引を開始し、年間約1250t、18億円のコーヒー生豆の焙煎ポテンシャルをもつロースターの買付取引をマッチングすることができ、本事業において飛躍的な成長可能性と、ソーシャルインパクトの大きさを見出したことから、新たにTYPICA株式会社を設立し、更なる事業拡大への挑戦を開始することを決定させていただきました。

TYPICA株式会社は、「美味しいコーヒーのサスティナビリティを高める」ことを経営目的とし、世界中の小規模コーヒー農家とスペシャルティコーヒーを中心に取り扱うロースターが、高品質で付加価値の高いスペシャルティコーヒー生豆を、小ロットでダイレクトトレードできるオンラインプラットフォーム事業として新設しました。2030年までに世界で最もユニークなスペシャルティコーヒー生豆が流通するマーケットを創造することで、コーヒー生産と世界のサスティナビリティ向上に貢献するとともに、ポストSDGs時代を担うパブリックシンボルとなる事業の創造を主な経営目標としています。

International Coffee Organizationによると、2019/20における世界のコーヒー生豆流通量は10,109,520tに成長し、オランダ外務省関連CBIは、それらの40%はヨーロッパで消費され、全体におけるスペシャルティコーヒーの割合が10%程度、コモディティコーヒーは90%程度であると報告しています。TYPICAは、それらの割合の反転を目指すステークホルダーとともに、スペシャルティコーヒー生豆のオンラインマーケットをグローバルで拡充することに注力して参ります。

現在、世界における90%の流通を占めるコモディティコーヒーの価格は、ニューヨークとロンドンの先物取引所2ヶ所で、大まかなグレードのみを基準に決定されているため、大量生産されたコーヒー生豆の供給量が過剰になると、世界全体のコーヒー生豆価格は暴落します。また、それに加えて投機目的の多額な資本が先物取引市場に流入していることから、更に価格の振れ幅が増し、多くのコーヒー農家の経営に多大なるマイナス影響を与え、結果的に高品質なコーヒー生豆を生産するコーヒー農家が、離農・転作をし、減少していくといった問題を抱えています。また地球温暖化の影響で2050年頃にはコーヒー生産の70~80%を占める「アラビカ種」の生産に適した土地が半減するとも言われています。

TYPICAでは、世界中の小規模コーヒー農家とスペシャルティコーヒーを中心に取り扱うロースターが、相場に左右されることなくダイレクトに取引し、価値に見合った価格でコーヒー生豆の売買を行うこと(ダイレクトトレード)を推進することで、このような諸問題を解決し、スペシャルティコーヒーのサスティナビリティを高めることに寄与いたします。また、グローバルなコーヒーネットワークを構築することで、世界中のコーヒー農家が、サスティナブルでユニークなコーヒー生産を担う農法及び精製方法など、高品質なコーヒー生産のために必要な知識や技術を共有できる機会を最大化することで、地球温暖化の中でもコーヒー生産量の維持、発展に挑戦できるコミュニティづくりに注力し、世界中の生活者が、高品質で付加価値の高いコーヒーを日常的に体験することができる、新しい生活文化を創造して参ります。

新会社設立を通じて、これまで以上にシステム開発及び人材採用への積極的な投資を行うとともに、ヨーロッパ拠点、アメリカ拠点を新設し、TYPICAのプラットフォームを利用する農家とロースターの体験価値向上に努めることで、サスティナブルなコーヒー産業への革新に向けて更に邁進して参ります。具体的には、世界中のコーヒー農家が、その年に収穫し精製したコーヒー生豆を、鮮度が高いうちに最も早く、最も高値で販売できる仕組みと、世界中のロースターが自店のコンセプト、顧客層、商品ラインナップに最もマッチした、付加価値の高いコーヒー生豆を購入できる、ダイレクトトレードの仕組みの構築など、両者にとって真に価値あるプラットフォームを実現するため、人間とAIが共存する画期的なマッチング及びダイナミックプライシングを可能とする独自のシステム開発に注力して参ります。

また、コーヒー農家とロースターの、純取引のみを可能とするコーヒー生豆取引所を確立することで、世界中のコーヒー農家とロースターのサスティナブルな経営を担うことができる、唯一無二のオンラインプラットフォームの創造に向けて、全身全霊を尽くして参ります。

なお、その他の各事業につきましても、各執行責任者を中心に事業価値向上に努め、TYPICA事業同様に新法人設立を推進することで、世界の全体幸福を担うことができる起業家を、より多く輩出できる会社組織と企業文化づくりを追求して参ります。

皆様、今後とも変わらず、ご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

令和2年11月1日 代表取締役 後藤将

■TYPICA株式会社について
https://typica.jp/about/