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新事業開始のお知らせ。コーヒー生産者と焙煎士をつなぐマーケットプレイス型プラットフォーム「TYPICA」を開始。

弊社は2014年より、ソーシャルイノベーションを目的としたコーヒー事業「HOOP」の経営企画、運営管理を行ってまいりました。その中で、テクノロジーを駆使したコーヒーサプライチェーンの革新が、コーヒー産業と社会のサステイナビリティを飛躍的に高める可能性を見出したことから、新たにコーヒー生豆の売買プラットフォーム事業「TYPICA(ティピカ)」を開始することが決定しました。TYPICAは、通常一社では困難であったコーヒー生豆の物流をシェアリングすることで、すべての焙煎所がダイレクトトレードできる仕組みを実現します。

コーヒーの消費量は年々増加傾向にあり、特に中国や東南アジアでは、年率5%超えの勢いで着実に需要が伸びていると言われており、競争の激化から自家焙煎のカフェも増え、他業種の参入など業態は多様化していますが、原料である生豆の調達に関しては旧態依然としています。

焙煎士はコーヒー生豆の調達において、物語性や経済的合理性の観点からダイレクトトレードを志向しますが、往々にして流通の問題、取引量の問題が障壁になります。コーヒー生豆は一回の輸入あたり20フィートのコンテナ(18トン)に満たなければ採算が合わないとされており、それは一般的な焙煎所にとっては大きすぎる物量です。そのため、焙煎士は大手商社を通じて生豆を購入することが多く、コーヒー生産者から直接購入することはほとんどありませんでした。

一方、コーヒー生産者の収益は非常に少なくコーヒー1杯あたり2円以下と言われています。また、中間業者や貿易の複雑さによってトレーサビリティが確保されているロットはごく僅かというのが現状です。

TYPICAは、持続可能なコーヒー産業への革新を担うべく、独自のプラットフォームをつくることで生産者と焙煎士を直接つなぐとともに、複数の焙煎所が物流をシェアリングし、コーヒー生豆を麻袋一袋(30〜60kg)から購入できる仕組みをつくります。またダイレクトトレードと物流のソリューションにより、通常高価なスペシャルティコーヒー価格を限りなく安価で取引できることを見込んでいます。

プラットフォームはマーケットプレイスであると同時に、生産者と焙煎士のコミュニケーションの場でもあります。生産者は栽培や精製の状況を、焙煎士はクオリティのフィードバックを共有することで育みあいが生まれます。また、コーヒー生産のサステイナビリティにおける問題に気づき、ともに行動することができます。

TYPICAは、2019年11月よりオランダ・アムステルダムに拠点を置き、エチオピアを起点に生産者のネットワークを育みます。2020年前半に輸出入のトライアルを行い、2020年中にプラットフォームを日本国内向けにローンチを予定しています。

日本のコーヒー生豆のマーケットは、2018年の流通総額が約1275億円、取引量が約41万トン(財務省「通関統計」より)、約5,000件の焙煎所により形成されていることから、サービスのプロトタイプを開発する上で適した環境と言えます。まずは日本国内に向けたサービスを構築し、五年以内にグローバルへと展開する予定です。